2025-09-20 22:30:22 配信
“大トリ”小泉進次郎氏が出馬会見 持論封印で勝算は?

■「解党的出直し」強調
小泉進次郎氏(20日 出馬会見)
「初当選から16年、自民党は再び危機の中にあります。もう1度、国民の声を聞き、国民の思いを感じとり、国民の不安に向き合う。そして国民の求める安心と安全を実現する政党に自民党を建て直す、私はその先頭に立つ決意でこのたびの総裁選に挑戦することといたしました」
自民党の小泉農水大臣は20日、総裁選への出馬を正式に表明しました。
小泉進次郎氏(20日 出馬会見)
「まず、私が総裁として優先することは、物価高で生活が苦しいという国民の切実な声に向き合い、国民の暮らしに安心と安定を取り戻すことです」
「まず、与野党間の合意に基づき、ガソリンの暫定税率を速やかに廃止します」
「自公国の3党合意に基づき、今年度から160万円へと引き上げを実施した就労の壁について、物価動向に応じて来年度以降も引き上げを着実に進めていきます」
これまで野党が訴え続けてきた政策を、一緒に前に進めるといいます。
小泉進次郎氏(20日 出馬会見)
「野党に幅広く政策協議を呼びかけ、与野党合意を模索する努力を行います。もちろん与野党の信頼ある関係の大前提は、自民党の信頼回復、そのための“解党的出直し”であります」
「解党的出直し」。小泉氏にとっては特別な思いがあるようです。
小泉進次郎氏(2009年の初当選時)
「自民党にとっての厳しい結果、真剣に謙虚に受け止め、“解党的出直し”、新党のつもりでもう一度自民党を再建しなければいけない」
小泉氏が初当選を果たしたのは2009年。民主党政権が誕生し、自民党は野党に転落しました。
小泉進次郎氏(20日 出馬会見)
「初当選から16年、自民党は再び危機の中にあります。国民の皆さんが多くの不安を抱えているのに最近の自民党は政治とカネの問題ばかりで、国民の不安に向き合えていなかった。だからこそ、国民は自民党にノーを突きつけたのだと思います。そんな自民党の現状に私は強い危機感を持っています」
■去年の公約からの“変化”
党改革への熱い思いを訴える一方、去年の総裁選で掲げた、選択的夫婦別姓の導入や解雇規制の見直しについては公約に盛り込みませんでした。いわば持論を封印した形です。
引き合いに出したのは、自身が初当選した年に総裁だった谷垣氏。
小泉進次郎氏(20日 出馬会見)
「野党に転落後、当時の谷垣総裁はあえて自身の主張を抑え、党内融和を優先されました。国民の皆様から厳しい声をいただきながら、どうすれば自民党を立て直せるかそれだけを考え続けた日々でした」
実は、会見の前日…。
報告・テレビ朝日政治部 森洋介記者(19日 都内)
「小泉大臣が入っていきます。これから谷垣元総裁と会談し総裁選への出馬を報告します」
総裁でありながら総理になれなかった谷垣氏。谷垣氏からは「こういう時こそ世の中の人の声を聞け」「今の自民党の全ての人に出番を作り、一体感を高めて欲しい」とアドバイスをもらったということです。
取材を続ける記者は。
テレビ朝日政治部 森洋介記者
「陣営が気にしているのは前回の反省です。前回は『長年議論ばかり続けて答えを出していない課題に決着をつけたい』と意気込んだものの、選択的夫婦別姓の導入などが波紋を呼び、のちの失速につながりました。小泉大臣も『今は党の分断を招く局面ではない』と周囲に話していて、党内で意見が割れているテーマについては、今回の主要政策から外すことで、党内がまとまりやすくなるようにしたい狙いがあるとみられます」
2回目の総裁選に挑む小泉氏。去年の総裁選では、「議員票」でトップは小泉氏でしたが、「党員票」が伸びず、総数で3位となり、決選投票には進めませんでした。雪辱を期す今回の挑戦、勝算はあるのでしょうか?
テレビ朝日政治部 森洋介記者
「陣営幹部は国会議員票を増やすために『今回もいかに勝ち馬かを演出できるかが大事だ』と話していました。ほかの候補に埋もれない形で表明するタイミングを見定めた結果、出馬表明は最後となりましたが、陣営議員は『“真打登場”が一番良い』と強調しています。また前回のライバルだった、加藤財務大臣、河野前デジタル大臣が応援に回るため、陣営からは『国会議員の支援がさらに広がる』として、前回以上の議員票獲得が期待されています」
■課題の党員票 コメ政策の影響は
課題の党員票。なかでも、農水大臣として主導したコメ政策をめぐり、農家の票の行方が焦点となります。
自民党員歴10年 コメ農家の秋山茂さん(74)
「要するに備蓄米の放出についても、各方面からするとかなり反対のこともあったわけね。(農業の族議員ら)ああいう人たちからすると、常識を外れてると、やり方が。勝手にやっているという批判を受けながらも備蓄米を放出したわけだけど。そのあとのやり方も、そこそこやってくれたから。やりっぱなしでもないから」
去年は、地元が近い茂木氏に投票したといいますが…
自民党員歴10年 コメ農家の秋山茂さん(74)
「(Q今回はなんで決めかねている?)小泉さんが良くなったからだね。年齢的に一番若いですからね、総裁としては、その辺を期待することは大きいですよ」
前回は、石破氏に投票した農家は。
自民党員歴15年以上 コメ農家の河野廣さん(72)
「小泉さんになってもらっても大丈夫かなっていう気もしますね。今までちょっと小泉さん心配だったんですけどもね」
「(Q心配だったのは、どういうところ?)消費者の方ばかりを見ていたかなっていう気も受けていたんですね、農家とするとね。最近はまあ生産者の方にも目を向けてくれているかなという風に感じてます」
■高市氏も現実路線 独自色を抑制
一方の、本命候補の1人、女性初の総裁を目指す高市氏。20日は、地元の奈良県議らと意見交換をしました。19日に行った会見では…
高市早苗氏(19日 出馬会見)
「再び自民党総裁選挙に立候補いたします。自由民主党の総裁を目指す者として、ぜひとも申し上げなくてはならないことがございます。第1に、時代の要請に応えられる、日本国憲法の改正をする。第2に、男系の皇統をお守りするために、皇室典範を改正すること」
高市氏らしい、ブレない保守的な主張もある一方…
高市早苗氏(19日 出馬会見)
「年収の壁の引き上げについては、これは、私はもともと大賛成でございます。手取りを増やす、これ本当に大事なことですので」
高市氏も、野党に歩み寄る姿勢を打ち出しました。
その後、高市氏が向かったのは、会見での司会が物議を醸した黄川田議員の講演会。
高市早苗氏(19日)
(Q高市さん会見お疲れ様でした。今のお気持ち少しだけお聞かせいただけますか?)
「お疲れ様です。一生懸命頑張ります」
■告示2日前 各候補が精力的な動き
22日の告示を前に、その他の候補も週末、積極的な動きを見せ、林氏はコメ流通の現場を視察しました。
今後の争点にもなるコメ問題。小林元経済安保担当大臣は、トラクターに乗り込んで、実地の農業体験を行いました。
そして茂木前幹事長は外国人問題です。クルド人と地元住民の間でトラブルが起きている埼玉県川口市を訪れ、ひき逃げ事故の遭った現場などを視察しました。
茂木敏充氏(19日 埼玉・川口市)
「二度とこういうことが起こらないような日本にしていかなくてはいけない」
出揃った五人の候補、連立の声が上がる野党は。
立憲民主党 野田佳彦代表(19日)
「かなり野党を意識した政策、あるいは発言になってきているのではないかなと。ただ言えることは、誰も政治とカネの問題の解明とか解決について積極的な発言をしていません。それでは解党的出直しは私はできないと」
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