「月の給料は6万円程度」という話も。強盗に手を染めたとして逮捕された男は元地下アイドルでした。ファンの女性が男の直前の様子を明かしました。
■「ずっと売れずに」ファン語る素顔
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「何度か話したことがある。友達も(久保田容疑者と)知り合いだったので『あの子、捕まったんだけど』みたいな連絡をもらった」
メディアにあまり露出せず、小さい会場でライブや握手会を行う“地下アイドル”。そんなスポットライトを浴びた男に何があったのか、徐々に分かってきました。
髪を黒く染めた男は千葉県市川市の強盗事件で公開手配され、逮捕された久保田陸斗容疑者(21)。前を真っすぐ見て問い掛けにうなずきます。
市川市の住宅に押し入り、住人の女性に暴行を加えて軽乗用車などを奪った疑いが持たれています。
新たに横浜市青葉区で発生した強盗殺人事件の実行犯とみて警察が捜査していることも分かりました。
久保田容疑者の同級生
「中学・高校ぐらいからあか抜けた。結構ハンサムな感じになっているイメージはあった。かっこいいと思った」
地元の同級生は明るく友達も多かったと話す一方…。
久保田容疑者の同級生
「非行的な行動、エピソードはない。ちょっとキレやすい体質。頭に血が上りやすい。いじったらすぐ嫌だって感じたら露骨に不機嫌になるイメージはあった」
■月6万円?“地下アイドル男”の実態
関係者によりますと、2年ほど前に「りんたろう」という名前で地下アイドルの活動を始めたという久保田容疑者。
容疑者が活動していた事務所のファンの女性に話を聞きました。
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「あまり人気が出なかったグループ。割とシビアな感じだった。結成からデビューまで事務所で2番目の“先輩グループ”」
地下アイドルグループに所属していた久保田容疑者。
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「100から300万円出す女の子がいて、それが給料に反映される。売れていない子の給料を聞くと(月)6万円とか」
その裏側で繰り広げられる熾烈(しれつ)な競争社会が分かってきました。
推し活事情に詳しいライター 佐々木チワワさん
「小さな“箱”、ライブ会場を主戦場に活動するアイドル。アイドルとファンの距離の近さが特徴。自分に多くのお金を使ってくれる客を取り合うという意味では、ホストと似通った産業システム」
久保田容疑者と面識のある地下アイドルのファンは、その過酷な競争社会を目の当たりにしてきました。
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「(写真)1枚1000円で1分間(会話ができる)という特典券。出せば出す分話ができる。6万円で1時間話ができる。他グループだったら100から300万円出す女の子がいて、それが給料に反映される。売れていない子の給料を聞くと(月に)6万円とか。お金をもらっている人ともらっていない人の差が激しい」
熾烈な競争のなか、鳴かず飛ばずの久保田容疑者を覚えていました。
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「1年半ぐらい続けていた。長い間アイドルをやっていても売れなかった人。ステージや特典会場でオタク(ファン)とアイドルが話すところがあるが、久保田容疑者だけはずっとオタクがいないのが目に見えていた。一番売れている人に5人のオタクがいても久保田容疑者は1人いるかいないか。ほとんどいなかった」
その一方、親身に言葉を掛けられた姿も覚えていました。
久保田容疑者が活動していた事務所のファン
「1人のアイドルを推していると同じアイドルを推している女の子がいるので、その子たちとお金で競り合いみたいになるが、競り合いで負けて悲しんでいると久保田容疑者が慰めてくれる。『大丈夫だよちゃんと思ってくれているよ』『すごく大切に思っているよ』と。オタクとして悩んでいることを親身に聞いて慰めてくれる人。アップにしてくれる気持ちを上げてくれる。あまり売れていないが、ユーモアがあるような人」
関係者によりますと、その後、裏方として活動していたそうです。
久保田容疑者を知る人
「マネージャーの仕事で事務所の演者の面倒を見ていた。マネージャーってあまり稼げる印象がないので(金銭的に)困っていそうだなとは思う」
その地下アイドルの関係者からの情報提供で居場所が特定された久保田容疑者。
取り調べに対し、事件への関与をほのめかしているということです。