2025-07-18 17:53:04 配信

順天堂医院側に6000万円超賠償命令 検査の2日後に女性死亡 東京地裁

 順天堂大学付属順天堂医院で内視鏡検査を受けた女性が2日後に亡くなったのは医師のミスがあったとして遺族が病院や医師に賠償を求めた裁判で、東京地裁は約6300万円の賠償を命じました。

 訴状によりますと、当時72歳の女性は胆管の病気が疑われ、2021年に順天堂医院で検査を受けましたが、2日後に亡くなりました。

 遺族は検査で医師が胆管に内視鏡を入れた際に胆管が損傷したことで急激に容体が悪化し女性が亡くなったなどとして、病院と医師に対して約2億2000万円の賠償を求めて東京地裁に裁判を起こしました。

 今月18日の判決で東京地裁は「医師の検査の適用判断や検査後の対応に義務違反はない」としながらも検査の緊急性は必ずしも高くないなかで、「死亡リスクを説明せず、リスクは胃カメラと同程度のものと女性に理解させた」と指摘しました。

 そのうえで、説明義務違反があり、説明義務を果たせば女性は検査を受けなったとして、病院と医師に対して合わせて約6300万円の支払いを命じました。

 判決の後に遺族が会見し、「母を亡くしてからの4年半は家族にとって悔しく、つらい、長い時間でした。医療は命を救うと思っていましたが、医療によって命が絶たれる理不尽がどうして許されるのか」と涙ながらに話しました。

 順天堂医院は「当方の主張が認められず残念ですが、亡くなられた患者様へは心より哀悼の意を表します」とコメントしています。

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