2025-08-18 19:04:02 配信

酷暑復活のニッポン列島 新型コロナ「ニンバス」猛威 カミソリ飲むようなノドの痛み

 今、猛威を振るっている新型コロナの変異株「ニンバス」です。まるでカミソリを飲み込む様な激しい喉の痛みがあるというんですが、実は、猛暑と感染拡大に関係がありました。

■ニッポン列島 酷暑復活

 お盆明けの東京都心は暑さが復活。10日ぶりの猛暑日と、今年一番の暑さとなりました。

 18日午後、天気は一変。東京都23区などに大雨警報が出されました。

 名古屋も38℃を超え、4日連続の猛暑日に。休み明けの体に暑さが堪えます。

30代
「週の始まりから5日間行かないといけないので憂うつな気持ちはある」
「リフレッシュできたので、気持ち切り替えて頑張って仕事したい」

 子どもたちは、元気いっぱいです。岩手県奥州市の小学校では短い夏休みが終わり、2学期を迎えました。

 夏休み、不思議な体験をした子どもも…。

児童
「河童を釣りに行った。河童はいなかった。河童を釣れなくて悔しかった」

 お盆が明けたはずなのに、にぎわう金沢の茶屋街。人々の狙いは同じです。

観光客
「お盆休みは高いから、ずらして少しでも安く来た」
「混んでるのが嫌で、混雑回避でずらしてきた」

 誕生日を迎えた「おたる水族館」のバンドウイルカ「レンカ」。大好物の冷たい氷で涼みます。


「かわいくてしょうがない。きょうのために来たのでうれしい」

 暑いビーチを見回る警察官。これまでとは少し違います。

ポロシャツ制服を着用 警察官
「ポロシャツのおかげで体温調節等できるので、とても快適に勤務できる」

 試験的に導入された警察官の制服。よく見ると、これまでのワイシャツではなくポロシャツです。

 各地で急がれる熱中症対策。警察官も例外ではありません。

ポロシャツ制服を着用 警察官
「一人も欠けることなく業務に邁進(まいしん)できるのでは」

 季節は、ゆっくりと秋に向かいます。

 東北の夏祭りのフィナーレを飾る青森県「田名部まつり」。京都・祇園祭の流れを汲む、哀愁を帯びた祇園ばやし。東北に短い夏の終わりを告げます。

 早くも秋の味覚の香りも漂います。

仙台水産 遠海部 本郷淳部長
「猛暑の影響で不安だったが、大量に入ったこと、大きいサイズで入ったことはうれしく思っている」

 宮城県仙台市ではサンマが本格的に入荷。近年、不漁が続いていたサンマ。今年は10年ぶりの大きさで価格も落ち着いているそうです。

本郷淳部長
「今年入ったサンマは約10年ぶりに大きなサンマが入った。私たちからすれば『奇跡のサンマ』と言えるくらいのサンマが入った」

■カミソリ飲むようなノド痛

 感染拡大の原因は、この夏の猛暑にありました。

 夏休みのにぎわいの裏で、医療の現場には異変が起きていました。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「カミソリを飲み込んだ喉に突き刺さるような痛み」

 喉を突き刺すような痛みを伴う新型コロナの変異株「ニンバス」。感染を広げていたのは暑さをしのぐために誰もが取る行動でした。

 夏休み、人の移動が増えるなか、再び広がっているのが新型コロナです。全国の感染者は8週連続で増加しています。

街の人
「コロナもはやっているので、手洗い、うがいをして防止しながら」

 都内のクリニックには患者が殺到していました。

20代
「体中がほてって立っていられなくなった。38.5℃まで熱が上がったり、喉の痛みや関節の痛みが強くなってきている」

 女性が感染していたのは、ただのコロナではありませんでした。

■新型コロナ「ニンバス」猛威

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「ニンバス、オミクロンの変異株。(コロナの患者は)多い日は10人以上、半分以上は『ニンバス』。感染力は過去最高レベルで高いのでは」

 新たな変異株「ニンバス」。中国や台湾などで2月ごろ流行し、日本へ持ち込まれて広がったとみられます。

 最大の特徴は、喉の強烈な痛み。

国際医療福祉大学 松本哲哉代表教授
「海外ではガラス片を飲み込んだような痛み。おそらく喉の細胞にウイルスが付着する力が強い」

 16日、ニンバスの感染が分かった50代の男性は…。

ニンバスに感染した人 50代
「首を上げて喉を突っ張らした時に結構、強い痛みが出た。ひたすら水分がない状態、喉に刺激物をはり付けたような感じ」

 ゼリーや果物しかのどを通らず、あとは水やお茶でしのぐしかなかったといいます。

 ただの夏かぜと思って油断していると、喉からはじまり、呼吸器へ広がるリスクも…。

ニンバスに感染した人 30代
「隔離期間が終わった翌日ぐらいから、せきが結構、出始めて、再度病院に受診してせき喘息という診断を受けた。横になるとせきが出て止まらなくて、夜寝られない状態」

 では、なぜ今コロナが増えているのでしょうか。その背景には夏の暑さが関係していると専門家はいいます。

松本哲哉代表教授
「夏休みで人の動きも活発に。暑くてマスクもしづらい。部屋の中で冷房をつけている状況で、なかなか換気もしづらい。そういったものが重なった結果、感染者の増加につながっているだろう」

 感染が拡大した理由の一つは夏休み、暑くてマスクを外したまま人との交流が活発になったこと。

 もう一つが、エアコンの冷気が逃げないよう部屋を閉め切ることで十分な換気ができないことです。

松本哲哉代表教授
「(新型コロナは)夏は流行しづらいが、条件さえ整えば簡単に広がってしまう。しばらくは増え続けていくと思う。9月の半ば辺りで少しずつ減少傾向をたどるのでは」

 感染しないためには改めてマスク、手洗い、うがいなど基本的な対策が求められています。

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