2025-04-28 19:02:42 配信

トランプ氏明かした“会談の中身”ゼレンスキー氏とひざ詰め15分間

 2人の近すぎる距離は何を意味するのか。ウクライナの運命を握る会談の中身をトランプ大統領が明かしました。

■トランプ氏 明かした“会談の中身”

アメリカ トランプ大統領
「会談はうまくいった。今後、数日でどうなるか見てみよう」

 トランプ大統領が言う会談とは、バチカンでのウクライナ・ゼレンスキー大統領との直接会談です。

トランプ大統領
「彼らには厳しい道のりが待っている。我々はいい会談をした素晴らしい会談だった。美しい会談だった。今まで見たなかで最も素晴らしいオフィスだった。とても美しい」

 トランプ大統領はオフィスと言いましたが、2人が会ったのはバチカン市国。ローマ教皇フランシスコの棺(ひつぎ)が安置されていたサン・ピエトロ大聖堂の中に入ってすぐ、洗礼礼拝堂と呼ばれる場所です。

 2人は話しながら歩き、途中、フランスのマクロン大統領とあいさつ。教皇庁の関係者らが椅子を並べると、ひざとひざを突き合わせて15分間、話し合いをしました。

 写真で見ると、2人は「キリストの洗礼」と呼ばれる絵画の前に座り、教皇フランシスコの葬儀直前ということもあり、すぐ近くには教皇庁の人もいます。

 また、イギリスのスターマー首相、フランスのマクロン大統領とも立ち話をする機会があったようです。

 トランプ大統領は、この3日前にはSNSでゼレンスキー大統領を「和平交渉において非常に有害」などと激しく非難していました。

 さらに、会う予定があるかを聞かれても…。

トランプ大統領
「(Q.ゼレンスキー大統領はこの週末に会いたいと言っていますが?)彼が葬儀に参列するかどうかも知らない」

 もちろんこの時点でゼレンスキー大統領は葬儀への参列を表明し、トランプ大統領との会談にも意欲を見せていました。

 結局、実現した会談を経て、トランプ大統領はゼレンスキー大統領について…。

トランプ大統領
「彼は国のために良いことをしたいと思っている。彼は良い仕事をしているし、一生懸命だ。何が起こるか見てみよう。とても複雑な交渉だ」

 ゼレンスキー大統領からは、どんな話があったのでしょうか。

トランプ大統領
「もっと武器が必要だと言っていた。ただ、3年前から言っている。以前より落ち着いていると思う。状況を理解し、取引をまとめたいと思っていると思う」

■一方、ロシアについては…

トランプ大統領
「ロシアについて何が起こるか見てみたい。ロシアが爆撃をしていることに驚き、とても失望している。あれだけ話し合いをしたというのに」

 ただ、トランプ大統領はこれまでロシアに寄り添った発言を繰り返してきました。そして、トランプ政権が示したと報道された和平案もロシア寄りのものです。

 例えば、ロシアが一方的に併合を宣言したクリミア半島。報道された和平案では、これをロシア領として承認するとしています。もちろんゼレンスキー大統領は拒否をしています。

トランプ大統領
「(Q.ゼレンスキー大統領はクリミアについて話した?)すごく手短には話した。ただ、クリミアはオバマ時代、バイデン時代に手放したものだ。11年か12年前だ。なぜ、今さらクリミアのことを持ち出すのか理解できない」

 トランプ大統領は先週、SNSでゼレンスキー大統領がクリミア半島を放棄しないことに激怒していました。

トランプ大統領
「(Q.ゼレンスキー大統領はクリミアを諦めた?)そうだと思う。クリミアは12年前の話だ。オバマの時代だ。1発の銃弾も撃たずに手放したんだ。だからクリミアについて私に聞くな。オバマやバイデンに聞いてくれ、忘れないでほしい。これはバイデンの戦争であって、トランプの戦争ではない」

 戦争が始まったのは、ロシアがウクライナに侵攻したからです。そのため、バイデン政権は軍事的にウクライナを支援してきました。

 一方、トランプ大統領は「就任すれば、24時間で戦争を終わらせる」と豪語してきました。

 しかし、29日で就任から100日を迎えます。今になってトランプ大統領は、24時間は“比喩的な表現”“冗談交じり”で言ったものだと釈明しています。

■100日たっても交渉実らず 今後の行方は?

明海大学 小谷哲男教授
「100日以内というのは事実上諦めたと言っていいと思いますし、諦める理由もウクライナ・ロシア双方が停戦交渉に前向きではないと。この問題は、そもそもオバマ大統領、それからバイデン大統領が対応を誤ったからだということで、自分には関係のない話だと。もともとそういう言い方もある意味、言い訳もし始めています。100日という期限は事実上諦めていますが、ただ、いつまでもずるずるとこの仲介作業、仲介の努力を続けるつもりはないというのも事実だと思います」

 トランプ大統領が仲介を投げ出す可能性もあります。

小谷哲男教授
「就任式でも自分はピースメーカーになるんだと、平和を作り出す人間になるんだと言っていたので、停戦を実現したいという思いはあると思いますが、トランプ支持者の間でもういいんじゃないかと。この問題はアメリカには関係ないんだから、早く手を引けばいいという声が高まっている。なかなか前に進まないということで苛立ちから、これを放棄するということはあり得ると思います」

 各社の世論調査の平均を見ると、トランプ大統領の支持率は下がり続けています。なかでも、ワシントンポストとABCニュースは就任100日をめどとした支持率としては、戦後最低だとしています。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2025

トップへ戻る