2025-06-09 12:57:05 配信
韓国大統領選で拡散“虚偽映像”が投票に影響か【フェイクの波紋】

初日の9日は、3日に行われた韓国大統領選挙についてです。AI(人工知能)などによって作成された候補者らのフェイク映像がネット上に大量に投稿され、有権者への影響が問題となっています。
討論会の最中、他の候補者とつかみ合いのケンカをしているのは、大統領選挙で当選した李在明(イ・ジェミョン)氏とされる人物です。
選挙期間中、SNSに投稿されたAIによって作成されたとみられる「フェイク映像」。こちらの映像では李氏が尹(ユン)前大統領と電話しているかのように本人にそっくりな声で会話が再現されています。
李大統領
「なぜ私が電話したか分かりませんか?」
尹前大統領
「また親日に仕立てるか、政治弾圧と仕立てるか、もしくは変なポピュリズムを持ち出してたわごとを言うつもりで電話かけたんだろう」
今回の大統領選では、政府も本格的な対策に乗り出しました。
韓国の選挙管理委員会は今回、特別チームを作りフェイクコンテンツを探し、サイトの運営者に削除要請を出しました。
今回初めて導入されたのが、韓国の政府機関が独自に開発したフェイク判別プログラム。フェイク映像をアップロードすると。
中央選挙管理委 サイバー調査課主務官
「この動画は95%の確率でフェイクと判定されました」
一瞬で映像の加工を検出し、作られた“嘘”の映像であることを見破りました。
ただ、監視を効率化してもその一方で新たなフェイクが次々に生まれる“いたちごっこ”です。
投票前日までのおよそ1カ月間での削除要請は一万件を越え、去年行われた国会議員選挙と比べ、およそ27倍に増えました。
市民
「携帯電話がない家はない。アクセスが楽だから(ネット情報を)参考にする」
AIの急速な普及により、誰にでもフェイクが作れるようになりました。
公正な選挙を守るよう、対策の試行錯誤は続きます。
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