2025-09-13 15:46:13 配信

家族被爆の25歳がパリで核兵器廃絶と平和訴え 現地の大学生らに向け講演

 フランス・パリで12日、広島や長崎で家族が被爆した25歳の女性2人が現地の学生らに向けて講演し、核兵器廃絶や平和のために行動するよう訴えました。

祖父が長崎で被爆した“被爆3世” 平林千奈満さん(25)
「『長崎を最後の被爆地にする』を人類共通の願いとするために、私たち一人ひとりが『地球市民』として行動しなければならない」

 パリで12日、長崎の小学校教諭・平林千奈満さんが、祖父(2015年死去)の被爆体験を現地の学生らに向けて語りました。

 平林さんの祖父は当時、自ら被爆しながらも医師として廃墟同然の街の避難所を回って被爆者の治療にあたりました。

 「自分たちが受けた苦しみを他の誰にも味わわせたくない」と平和への強い願いを生前、孫の平林さんに打ち明けたということです。

 また、広島の研修医で、「被爆体験伝承者」として活動している井上つぐみさん(25)は、11歳の時に被爆した川本省三さん(2022年死去)から伝え聞いた体験を語りました。

 川本さんが家族6人を失い、結婚の際に差別に遭ったことを伝え、「被爆を二度と繰り返さないために周りの人に語り継いでほしい」と訴えました。

講演を聞いたフランス人大学生(23)
「(講演は)本当に心に響き、とても興味深いものだった。広島と長崎で起きたことを二度と繰り返さないため、私たちは行動しなければならない」

平林千奈満さん
「色んな所で被爆の実相を伝えて、皆で語り合って、どうしたら核兵器廃絶ができるかを伝える環境がどんどん生まれると良い」

「被爆体験伝承者」 井上つぐみさん
「核廃絶に向けては経験された方の言葉が一番響くと思うので、これからも被爆体験伝承者として川本さんの『核を廃絶したい』『二度とこんな悲惨な思いを子どもたちにしてほしくない』という言葉を引用しながら核兵器廃絶を訴えていきたい」

 講演の会場となった「パリ国際大学都市」のアメリカ館では、来月9日まで広島平和文化センターの資料などを展示する原爆写真展が開かれています。

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