2025-09-21 12:25:31 配信
南米の世界遺産マチュピチュ 「新・世界の七不思議」はく奪?抗議デモで観光客に影響

■4700人以上の観光客に影響
標高2400メートル、アンデス山脈の断崖。その頂に広がるインカ帝国の遺跡「マチュピチュ」。南米ペルーが誇る世界遺産だが、今、ある問題が起きている。
15日、「マチュピチュ」の玄関口で観光バスの選定を巡り、地元住民による抗議デモが行われた。この混乱により鉄道が一時封鎖される事態となり、地元メディアなどによると、4700人以上の観光客に影響が出ているという。
観光客
「ここまで来るのにかなり費用は高かった。(マチュピチュを)見ることを本当に楽しみにしていたのに、見られず戻るのは非常に残念」
そんななか、「マチュピチュ」は“ある称号”を失う危機に陥っている。それが「新・世界の七不思議」だ。
■新・世界の七不思議とは
「新・世界の七不思議」とは、スイスにある財団が2007年に、優れた歴史的建造物を後世に伝えようと認定したもの。世界中から7カ所が選ばれている。
ブラジル・リオデジャネイロの「キリスト像」。中国「万里の長城」。イタリア・ローマの「コロッセオ」。インドの「タージマハル」。古代マヤ文明の遺跡の一つ、メキシコの「チチェン・イッツァ」。映画「インディ・ジョーンズ」の舞台にもなったヨルダンの「ペトラ遺跡」。
そんな「新・世界の七不思議」から「マチュピチュ」が外されるかもしれない。その理由は何なのか。
「新・世界の七不思議財団」Facebook
「ここ数年、優先的に取り組むべき深刻な課題がいくつか出てきている。訪問者の悪い体験によりペルーのイメージに悪影響を与え続け、結果としてマチュピチュが新・世界の七不思議の一つとしての信頼性を失う可能性がある」
■新・世界の七不思議 認定除外?
観光地のイメージ悪化を理由に「新・世界の七不思議」から外される可能性があるマチュピチュだが、もしそうなった場合、どのような影響があるのか。
イギリスのピアソン社の調査によると、新・世界の七不思議に選ばれることで観光地のブランド価値の創出、話題性を得ることができ、経済効果は7400億円を超えると推定されている。つまり、この恩恵を失ってしまうことになる。
さらに航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「観光地としては肩書き、話題性が多い方がいい。さらに、外れることで治安が悪い、不安定ということが認められたということにもなる。旅行は『安全』でないと成り立たないので、旅行先として選ぶには不安を感じる人が出てくるのでは?」と指摘している。
(「ワイド!スクランブル サタデー」2025年9月20日放送分より)
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