2025-12-24 10:15:02 配信
中国側が見解「北朝鮮は核開発考えていない」 1994年 日中首脳会談の詳細明らかに
1994年の日中首脳会談で中国側が「北朝鮮は核開発を考えていないし、資金的、技術的にその能力はない」という見解を示していたことが明らかになりました。外務省は作成から30年が経過した外交文書、17冊6824ページを公開しました。
「極秘」扱いの文書によりますと1994年3月、当時の細川総理大臣と李鵬首相の会談で北朝鮮の非核化が議題にのぼり、李鵬首相は「北朝鮮は現状では必ずしも核開発を考えていない。資金的にも技術的にもその能力はない」「おそらく北朝鮮は、核の話し合いを通じ米国との関係正常化を図ろうと考えているのだろう」と見解を述べました。
さらに「中国は北朝鮮の状況を比較的よく理解している」としたうえで「指導者はプライドが高い。したがって、圧力をかけるやり方はあまり良い効果は収められない」「中国側もいろいろ働き掛けをしたい」と発言していました。
細川総理は「大変参考になった。我が国は北朝鮮との接点を持っておらず北朝鮮の考えはまったく分からない」と述べたうえで、日米中韓4カ国が連携して対応することが重要だという考えを示しました。
また、一連の会談後、日本のメディアが北朝鮮の核問題に向けて「細川総理は中国を説得できなかった」と報じたことについて、当時の外務省幹部は「これはおかしな論評。中国が北への働き掛けをやりますと言ったのだから十分な成果はあったとみるべき」というメモを残していました。
当時、北朝鮮は体調が悪化していた金日成(キム・イルソン)国家主席に代わり息子の金正日氏が実質的な指導者となっていました。
この年、北朝鮮はIAEA=国際原子力機関から脱退し、現在に至るまで核・ミサイル開発を続けています。
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