2025-08-02 12:18:30 配信
【戦後80年】宮城に墜落した3機のB29 恩讐を超え…日米で追悼続く

蔵王連峰の南端に位置する不忘山。今年5月、その麓にある平和記念公園で、日米の関係者が祈りを捧げました。
不忘平和記念公園 高橋敬理事長
「私たちの先人が『恩讐を超え人類はみな兄弟』の心をもって設立した不忘の碑を、これからも忘れることなく全世界に平和の鐘が鳴り響くことを願います」
公園に建てられた慰霊碑。80年前、1945年3月10日、東京大空襲と同じ日に不忘山に墜落して死亡したアメリカ軍のB29の乗組員、34人の名前が刻まれています。
東京を攻撃目標にしていたというB29が遠く離れた不忘山に来た目的や墜落の真相は分かっていません。
当時10歳で、墜落翌日に現場を訪れたという松本長政さん。
「ちょうどこの辺がエンジンだった。ここで燃えて、この辺一帯が飛行機のアルミの残骸」
大破した機体や死亡した兵士。実際に惨状を目の当たりにし、芽生えた思いがありました。
「敵も味方もない。死んだ人には変わりない。何十年、何百年経っても、自分が生きているうちは弔いたい」
住民たちは山頂付近に慰霊碑を建て、弔ってきました。しかし、年を重ね、山に登ることが厳しくなったため、10年前、ふもとに公園を整備しました。
死亡した機長の遺族 クレム・コーズマイヤーさん
「(公園建設に)とても感銘を受けている。本当に光栄。ありがとう、心からありがとう」
今年で戦後80年。当時を知る人の多くが亡くなりました。恩讐を超えて…。平和への思いは受け継がれています。
高橋敬理事長
「歴史の中で語り継ぐ部分では少しずつ薄れてしまう。いろんな形で発信をしながら、戦後100年を迎えられれば」
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