NEWS

ニュース

2025-04-05 20:25:51 配信

「通話切れば逮捕も」警察官かたる詐欺電話増加 ミャンマー詐欺拠点と同様の巧妙手口

 摘発が相次いだミャンマーの詐欺拠点では、日本人グループがビデオ通話で警察を名乗って、被害者をだましていたとみられています。同じようなビデオ通話がかかってきた男性への取材で、被害者の不安をかき立てる巧妙な手口が明らかになりました。

 先月25日、タイから強制送還された藤沼登夢容疑者(29)。ミャンマー国境地帯の詐欺拠点にオンラインゲームを通じて知り合った男子高校生(17)を連れ去り、詐欺を強要したとしてタイ当局に拘束されていました。

 捜査関係者によりますと、藤沼容疑者のグループは警察を名乗り、「あなたの銀行口座が資金洗浄に使われている」などと日本へ電話をかけていたとみられています。

 その後、電話からLINEのビデオ通話に誘導し、警察の制服を着た「かけ子」が偽の逮捕状を見せ、資産状況を聞くなどして被害者をだましていたということです。

 ビデオ通話の際、「かけ子」はAI(人工知能)で顔を変えていたとみられています。

 警察庁によりますと、警察官をかたった電話から捜査の名目で現金をだまし取られる被害は増えているといいます。相手を信用させるためか、LINEなどのメッセージアプリを使い、偽の逮捕状や警察手帳を見せる手口が使われているそうです。

 実際に被害に遭いかけたという男性に話を聞きました。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「とにかく自分が“容疑者”になっている状況なので、そこまで『怪しい』という確信が持てなかった」

 先月、男性のもとに非通知で電話がかかってきたといいます。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「『警察です。ある大規模な詐欺犯罪グループのリーダー格を逮捕したところ、大量のキャッシュカードが発見された。その中からあなたの名義のカードが発見された』と電話がかかってきた。『今から大阪南警察署の担当刑事に転送するので、捜査協力をお願いできないか』ということで、『やりますよ』と言うと転送された。『クレジットカードが不正利用されたことは』とか、最初は事情聴取みたいなことをされた。その時も偽物とは思わなかった。すごく本格的なので」

 しばらくすると、“大阪府警の刑事”を名乗る男は、LINEのビデオ通話へと誘導してきました。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「『警察手帳を見せたいので、LINEのビデオ通話で話をしたい』と言われ、疑問に思ったが、最近の警察はDXをやるのかと思い、IDを伝えられたので登録して、LINEでつながった。『周りに誰もいないか360度携帯をまわして下さい』と(言われた)。周りに誰もいないのを確認した後に本人が現れた」

 “捜査協力”という形で始まったビデオ通話でしたが、男は次第に「男性が逮捕される可能性」について言及するようになったそうです。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「『大規模な犯罪なので今、極秘の捜査をしている』『あなたが容疑者の可能性もある』と強調し始めた。自分は“容疑者”なのかと少し焦ってしまった。逮捕・勾留もあり得るという話もあって」

 ミャンマーの詐欺グループ同様、資産状況も尋ねてきたといいます。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「名前と生年月日、住所を聞き始めて、『年収を教えて下さい』という話になった。『年収?』と思い、なぜ年収が必要なのか聞いた。『あなたが犯罪グループに関わっているか確認しないといけない』『お金の状況を確認しないと前に進めない』と(男が)言い始めた。『捜査に協力しないとあなたを逮捕する可能性がある』とかなり強調し始めた」

 他にも銀行口座の情報や預金残高を聞いてきたため、男性は次第に疑念を持ち始めたといいます。特に違和感を抱いたのは男が提示した警察手帳でした。当時の通話画面を見ると、自称“大阪府警の刑事”が提示した警察手帳には「大阪府警」ではなく「警視庁」と書かれています。さらに、手帳の写真と通話相手の顔も違ったそうです。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「後から見たら全然違う顔だった。中年の男性というのだけは合っていて、(通話に)出てきた人は髪が生えていたが、警察手帳の人は(髪が)どうやってもない中年のおじさんの顔だったので」

 しばらく話した後、再度警察手帳を見せてほしいと尋ねると、一方的に通話を切られたということです。ただ、男性は「怪しさ」よりも「不安」が勝り、だまされかねなかったと振り返ります。

“詐欺電話”がかかってきた男性(50代)
「まず警察から電話というだけでだいぶ動転してしまうし、銀行口座が勝手に作られ、名義が悪用されるってなんかありそうじゃないですか。『あなたが容疑者で、この通話を切ると逮捕・勾留もあり得る』というのが非常にフックになる。1%でもそういうことがあり得ると思うと無視はできないので、誰でもかかり得る。今までオレオレ詐欺などは高齢者が引っかかるという話だったが、多分20代、30代も引っかかると思う」

 警察庁は「警察がメッセージアプリで連絡を取ることはない」と注意を呼び掛けています。

公式SNS一覧

Facebook Twitter Instagram YouTube